相模原協同病院 脳神経外科は、2021年1月の新病院移転により「脳卒中センター」へ名称が変更となり新しい診療体制となりました。脳卒中センターは、その名の通り脳卒中に対する治療を一刻も早く行うための施設です。センターは、脳血管外科・脳血管内治療科・脳脊髄外科・脳血管内科の各専門領域のエキスパートより構成されており、24時間365日専門の医師が常駐して急性期脳卒中に対する診療が可能な体制となりました。
脳卒中とは、主に脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの疾患が主ですが、いずれも一刻を争う病気です。特に脳梗塞は、昔と比べて治療が飛躍的に進歩しており、早く治療を行えば治る可能性がある時代になってきました。脳梗塞発症直後ならば、詰まったところを溶かす薬(t-PA)や、詰まった血栓(血の塊)を直接取り除く治療(血栓回収)などが行える可能性があり、そのためには脳梗塞を起こした瞬間から治療開始・再開通までの時間が勝負となります。残念ながら時間が経ってしまった場合には、そのような治療ができないため、一刻も早く病院へ到着し治療を開始することが重要となります。当院は日本脳卒中学会認定 一次脳卒中センター PSCコア施設に認定されており、地域の脳卒中診療の中心的な役割を担っています。
また、脳出血やくも膜下出血なども生命に関わる重篤な病気であり、脳卒中センターでは常に手術ができる体制となっています。くも膜下出血の原因となる破裂脳動脈瘤については、開頭術と血管内手術(カテーテル手術)どちらも可能な体制となっており、どちらの治療が最適か判断し治療を行なっています。このような外科的治療のみでなく、専門的な内科的治療から急性期リハビリテーションまで一貫して行う事ができる体制となっており、脳卒中専門の集中治療室SCU(Stroke Care Unit)が6床あります。
急性期脳卒中以外でも、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤に対しては、開頭術(クリッピング術)や血管内手術(コイル塞栓術)を、脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄症・閉塞症に対しては、外科手術(頸動脈内膜剥離術)や血管内手術(ステント留置術)、頭蓋内外バイパス術(EC-ICバイパス術)を行っています。
また、通常の施設では治療困難な高難度脳動脈瘤についても、開頭術・血管内手術を併せたハイブリッド手術(ハイブリッド手術室完備)を行うことも可能となっており、高難度バイパス術を併用した開頭術も行なっています。
そのほか、我々が対応する病気は、脳動静脈奇形、もやもや病、頭部外傷、水頭症、顔面痙攣、三叉神経痛、脊椎・脊髄疾患など多岐にわたり、必要に応じて外科手術を行なっています。
脳卒中センターの手術用設備は最新の機器が揃っており、高度な外科治療を提供しています。手術用顕微鏡はKINEVO 900 4K3D(高画質デジタル画像)Robotic Visualization System. Carl Zeiss.を導入し手術を行なっています。
また、手術の質・安全性向上のため、次世代の情報融合プラットフォームである「OPeLiNKスマート治療室」を導入しています。いくつかの大学病院で導入されている最新のシステムですが、民間病院では当院が世界初の導入となります。
2022年1月より新たに増設された脳卒中センター専用IVR室(脳血管撮影・治療室)が稼働しています。
また、当センターの脳脊髄外科では、脊柱管狭窄症やすべり症などの脊椎変性疾患、腫瘍性疾患、血管障害を含め広く診断・治療を行っています。
脳外科の手術用顕微鏡を用いた繊細な手術と同様、頸椎から腰椎まで全手術で顕微鏡を使用することで、『5cm未満の小さな傷、短時間で輸血のいらない低侵襲手術』を行っており、ピンポイントの治療を行うことで極力椎体の固定を行わず、自然な椎体の動きを温存するように努めています。このような低侵襲治療により入院期間も短縮できますので、手のしびれや歩行障害などでお困りの方はご相談ください。
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、破裂脳動脈瘤、未破裂脳動脈瘤、
脳動静脈奇形、もやもや病、頭部外傷、水頭症、顔面痙攣、
三叉神経痛、てんかん、脊椎・脊髄疾患 など
池田 俊貴
出身大学 | 杏林大学 |
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資格・認定医 |
日本脳神経外科学会専門医・指導医 |
専門分野 | 脳動脈瘤、虚血性脳疾患、頸動脈病変、脳血管奇形に対する直達術、もやもや病などに対するバイパス術、高難度脳動脈瘤 など |
植杉 剛
出身大学 | 東海大学 |
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資格・認定医 | 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳血管内治療学会専門医 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医 |
専門分野 | 脳卒中治療全般、脳神経内科全般、脳卒中に対する脳血管内治療全般 |
吉川 信一朗
出身大学 | 弘前大学 |
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資格・認定医 | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳卒中の外科学会技術指導医 日本脳血管内治療学会専門医・指導医 日本脳神経外傷学会専門医 日本麻酔学会標榜医 日本神経内視鏡学会技術認定医 医学博士 |
専門分野 |
脳動脈瘤、脳血管奇形、虚血性脳疾患、頸動脈病変などに対する直達術・血管内治療(コイル治療、ステント治療)、急性期血行再建(血栓回収療法)など |
柳川 太郎
出身大学 | 信州大学 |
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資格・認定医 | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳卒中の外科学会技術指導医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本脳血管内治療学会専門医 医学博士 臨床研修指導医 |
専門分野 | 脳動脈瘤、虚血性脳疾患、頸動脈病変、脳血管奇形に対する直達術・血管内治療(コイル治療、ステント治療)、もやもや病などに対するバイパス術、神経内視鏡治療、三叉神経痛・顔面痙攣治療 など |
池田 峻介
出身大学 | 東京医科大学 |
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資格・認定医 |
日本脳神経外科学会専門医・指導医 |
専門分野 | 脳卒中の外科治療全般 脊椎・脊髄疾患(脊柱管狭窄症・すべり症などの脊椎変性疾患・脊髄腫瘍・血管障害の外科治療) など |
木村 辰規
出身大学 | 埼玉医科大学 |
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資格・認定医 |
日本脳神経外科学会専門医 |
専門分野 | 脳卒中の外科治療全般、脊椎・脊髄疾患 |
䑓 もなみ
出身大学 | ハンガリーDebrecen大学 |
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専門分野 | 脳卒中の外科治療全般 |
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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午 前 | (第1・3) 丹羽 |
池田(俊) | 池田(峻) | 休診 | 池田(俊) | 池田(峻) |
(脳血管内科) 植杉 |
吉川 | 柳川 | 吉川 | 柳川 | ||
木村(辰) |
神経内科 木村(文) |
|||||
午 後( 予 約 ) |
(第1・3) 丹羽 |
|||||
神経内科 (14:00~16:00) 白石※初診可 |
神経内科 木村(文) |
手術件数
2021 | 2022 | 2023 | |
直達術(開頭+脊椎) | |||
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脳動脈瘤頚部クリッピング術 |
39 |
34 | 23 |
脳動静脈奇形摘出術 | 5 | 3 | 2 |
頚動脈内膜剥離術 | 2 | 11 | 6 |
頭蓋内外バイパス術 | 8 | 8 | 7 |
高難度バイパス術(ハイフローバイパス術) |
3 | 2 | 0 |
開頭血腫除去術 |
34 | 21 | 17 |
穿頭血腫除去術 |
47 | 38 | 56 |
脊椎手術 |
82 | 201 | 177 |
頭蓋内微小血管減圧術 |
5 | 3 | 7 |
その他 |
81 | 47 | 58 |
直達術合計 |
306 | 368 | 353 |
血管内手術 |
|||
脳動脈瘤コイル塞栓術 |
29 | 29 | 37 |
脳動静脈奇形塞栓術 |
3 | 3 | 2 |
経皮的頚動脈ステント留置術 |
21 | 19 | 19 |
硬膜動静脈瘻塞栓術 |
6 | 2 | 3 |
機械的血栓回収療法 |
59 | 50 | 47 |
その他 |
3 | 5 | 12 |
血管内手術合計 |
121 | 108 | 120 |
総手術件数 |
427 | 476 | 473 |
当院は、地域医療支援病院として、地域の医療機関と日ごろから連携体制を構築しています。診療において紹介患者さんを優先させていただいております。患者さんにおかれましては、この趣旨にご理解いただき、当院を受診される際には、かかりつけ医や他医療機関などからの紹介状をお持ちいただけるようお願い申し上げます。
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