集中治療科は2022年に新設され、重症手術例の術後管理、院内の重症患者の呼吸・循環・代謝管理などを対象とし、大きな生体侵襲に対しいかにして生体機能を復帰させるかということに主眼をおき診療を行っています。semiclosed ICUで、各診療科とICUカンファレンスを随時施行・連携の上、最新のエビデンスに立脚した質の高い医療の提供を目指しています。
当院集中治療科は、ICU・HCUの運営に携わり、大手術後の術後管理を中心に、重症内科疾患、院内急変、救急外来からの患者さんに対応しています。2022年に設置された新しい部署ですが、経験豊富な麻酔科医・集中治療医・救急医・心臓血管外科医・循環器内科医を中心に、院内各科、多職種の各専門家と抜群のチームワークでチーム医療に取り組んでいます。かつての集中治療といえば、特殊治療を駆使し、重症患者を管理するイメージがあり、医療者の経験や技量に依存した”芸術的"な治療が行われているという印象を持たれているかもしれません。
しかし、現在は集中治療の分野においても、多くのガイドラインなど標準的治療が推奨されており、若い先生方への裾野が広がっている感があります。当院集中治療科では、標準的治療を常にアップデートし、その考え方を基礎に、繊細なベッドサイドでの診療から得られる患者個人の状態把握を加味した、各人に最適なオーダーメイドの集中治療を目標にしています。
何事もないのが当たり前の術後患者さんには、さらなる質的向上を常に考慮し、治療に難渋する重症患者さんには、集中治療科以外のエキスパートや多職種の意見を積極的に採用し、最善の結果を求める努力をしています。現在在籍する集中治療科医師の基本領域は、麻酔科、救急科、内科、小児科など多岐にわたっています。
学閥はなく、各人を尊重する当院ICUでは、集中治療室での患者管理に専従することで、基本領域を活かしたキャリアプランの再考が可能になります。短期研修を希望される先生などを含め、集中治療に熱意を持って取り組んでいただける先生には、是非我々の仲間に加わっていただきたいと思います。
当院は、地域医療支援病院として、地域の医療機関と日ごろから連携体制を構築しています。診療において紹介患者さんを優先させていただいております。患者さんにおかれましては、この趣旨にご理解いただき、当院を受診される際には、かかりつけ医や他医療機関などからの紹介状をお持ちいただけるようお願い申し上げます。
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求人情報
様々な疾患、病態に専門性の高い高度医療を提供するためには各診療科との連携は欠かせません。
各専門診療科との連携を密にし、また看護師、薬剤師、臨床工学士、理学・作業療法士、管理栄養士など、様々な専門職種に最大限の力を発揮してもらいながら、抜群のチームワークで診療に取り組んでいます。
心肺停止蘇生後の患者に対する体温管理療法(TTM)やショック状態の患者に対する集学的・集中治療を積極的に実施しています。急性腎障害患者に対する持続的腎代替療法(CRRT/CHDF)や循環不全や呼吸不全患者に対する人工心肺装置(インペラ/ECMO)の装着も実施しています。急性心筋梗塞や急性大動脈解離に対する循環器内科・心臓血管外科術後や急性硬膜下血種やくも膜下出血に対する脳神経外科術後、急性腹症に対する外科緊急手術後など各専門診療科とカンファレンスを実施して治療方針を決定しております。人工呼吸管理やECMOを要するCOVID-19の最重症患者、さらにはrapid response teamにより、重症化を未然にキャッチされた入院患者さんを受け入れ、院内各科から信頼される集中治療室を目指して頑張っています。まだまだ成長過程の段階で、将来への課題も多く抱えておりますが、まだまだ伸びしろがあると考えております。患者さんのことを第一に考え、さらに院内各診療科が安心して専門診療に取り組めるよう、全力で重症患者管理に取り組んでいきます。