感染症の診断には、その疾患が、本当に感染によるものであることを確認するとともに、それがどんな病原菌によるものであるか調べることが重要です。感染症を引き起こす微生物には細菌・真菌・ウィルス、原虫などがありますが、当細菌検査室では、その中で細菌・真菌を主に検査しています。細菌検査は、塗抹検査、培養・同定検査、薬剤感受性検査からなり、病原菌を検出しその病原菌の薬剤に対する感受性を検査し、感染症の治療や診断に貢献する検査です。
患者さんから得られた検体を用いて染色を行い顕微鏡で観察し、病原微生物を推定します。染色性と形態によって菌を推定し、臨床医に情報を報告しています。
さまざまな検査材料から培地(細菌が生育するために必要な栄養分が含まれているもの)を選択して培養し、発育した菌を同定機器、同定キット等で性状を確認し、菌の種類を確定します。
また2021年1月より質量分析装置を導入し、従来の生化学性状を利用した検査より迅速に同定結果を結果報告できるよう努めています
培養で感染症の原因菌が認められた場合、その菌の抗菌薬に対する感受性を自動分析装置で測定し、得られた成績は臨床検査技師の確認の元、臨床医に報告します。
培養検査
Aspergillus niger
klebsiella pneumoniae
塗抹検査
結核菌は抗酸菌と呼ばれる菌に分類されます。結核菌は空気感染によってヒトからヒトへ感染するため、抗酸菌検査は一般細菌検査と異なる専用の設備で行う必要があり、結核菌感染の恐れのある検体を処理する際は室内にある安全キャビネットを用いて行っています。
結核菌は発育に大変時間(最大6週間)を要することから、疑いが強い場合は迅速報告が可能な塗抹検査(蛍光顕微鏡を用いた鏡検)を行い、1時間以内に結果報告するようにしています。
また遺伝子検査機器を院内導入し、結核菌遺伝子検査を来院当日~翌日中に報告できるよう体制を整えております。
自動同定・薬剤感受性装置
(MicroScan40PLUS)
自動遺伝子検査装置
(TRCReady®-80)
迅速微生物同定質量分析装置
(MALDIバイオタイパー™
siriusシステム)
全自動血液培養検査装置
(バクテアラートVIRTUO™)
当院は、地域医療支援病院として、地域の医療機関と日ごろから連携体制を構築しています。診療において紹介患者さんを優先させていただいております。患者さんにおかれましては、この趣旨にご理解いただき、当院を受診される際には、かかりつけ医や他医療機関などからの紹介状をお持ちいただけるようお願い申し上げます。
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