病院長
渋谷 明隆
相模原協同病院は、終戦直前の1945年8月、無医村解消を目的に神奈川県農業会により相模原市橋本の地に病床数20床の病院として設立されました。医療物資も人的資源も困窮を極めるなかでの病院事業を継続してこられた先人の労苦は想像に難くありません。以来、病院職員のたゆまぬ努力と地域住民のみなさまのご支援により、相模原協同病院は相模原市の北半分を主な医療圏として徐々に発展し、430床を超える病床をもつ相模原市内でも有数の病院となりました。しかし、建物の老朽化、狭隘化、駐車場不足などにより、2021年に橋本駅から2キロ離れた現在の橋本台の地に新築移転するに至りました。移転当時はコロナ禍の最中であり、患者様、地域住民の皆様、関係する医療機関の皆様には大変なご迷惑とご心配をおかけしましたが、職員の一致協力により新病院ではこれまで以上の医療提供体制を整えることができました。現在では年間8000台の救急車搬送に対応し相模原市の救急医療体制に大きく貢献しています。特に新病院では脳卒中センターや救急科を新設するとともに循環器センターに不整脈部門を強化しアブレーション治療にも対応しています。今後、さらにがん診療にも専門性を発揮し、より質の高い医療を提供してまいります。
市立病院のない相模原市では、大学病院をはじめ地域の医療機関、病院協会、医師会との連携をこれまで以上に強化し、地域住民の皆様の健康を面として支える必要があります。高齢化社会を迎えてオンライン診療の導入や回復期医療施設、療養型医療施設、介護施設との連携も重要です。さらに相模原協同病院は災害拠点病院としてDMATという大規模災害に際して機動的に活動のできる訓練を受けた専門チームを組織し、災害医療にも貢献できる体制を整えているところです。
こうした医療の原点ともいえる地域に密着した急性期医療の提供体制が若い医師たちからも評価され、毎年多くの研修医が当院での研修に応募してくれており、病院が活気づいているところです。
新型コロナ感染症が感染症法上の第5類になっても新型コロナ感染が消えたわけではありません。今後、さらに新しい感染症の発生も危惧されています。相模原協同病院はコロナ感染症の日本での第一例目を診療した実績があります。次の新しい感染症にも医療体制を整えアンテナを張り巡らして予防を含めて注意深く対応してまいります。
引き続き、皆様のご理解、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
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